妊娠したときの事を思い出してみる。
今の夫と結婚したとき、私は20代後半から患っていたバセドウ病で通院しており、
主治医からはメルカゾールの服用中は妊娠しないようにと言われていた。
年齢的には出産を急ぎたいところだけど、気持ちだけはまだまだ子供な私は、
母親になる覚悟も出来ず、主治医のいうままに2年ほど過ごした。
夫と2人、結婚式(場所と呼ぶ人を変え2回やった)の準備や、国内・海外旅行を存分に楽しんだ。
2人の生活も楽しく、このままの生活も良いかもしれないと思いはじめたとき、
夫の転勤が決まった。
その時暮らしていた私の地元を離れ、見知らぬ遠い土地へ引っ越しすることになった。
転勤族の夫と結婚した時に覚悟はしてたつもりだけど、仕事も辞めて、知り合いもいない地域での孤独な暮らしは、地元で生活していた時と天と地の差に感じられた。
失業保険をもらいながら、
最初はせっかく都会に引っ越ししてきたんだから、と
流行りのスポットやファッションビルに買い物に出かけていたけれど、
1人遊びが苦手だった私は、毎日1人で出かけるのもつまらなくなっていった。
さらにお金もなくなり、
図書館やスーパー、本屋など自転車で行ける範囲で行動するようになった。
夫は、私を地元から連れ出してしまった事を申し訳なく感じているようで、
『地元に帰って友達と遊んできていいよ』
『好きなところに遊びに行っていいよ』と
言ってくれたけど、家計を圧迫してまで遊びたいと思えない。
唯一良かったことは、都会に引っ越ししたため、バセドウ病の専門病院があったこと。
元々大学病院に通っていたものの、主治医は乳腺が専門のようだったし、転院したいとは言いにくく、、引越しを機に専門病院に通える事は嬉しかった。
転院して初めて受診した日、私は衝撃の一言を耳にする。
『メルカゾール服用してても妊娠は可能です。あなたの年齢も考えたら、早めに妊活するべきだ。』
えっ、、、ウソ。
こどもは諦めて、2人で過ごす事まで考えていたのに。
その言葉を聞いた瞬間から、一気に子供が欲しいモードに突入し、妊活をスタートしたのである。